今日は、前回に引き続き、各種心理(精神)療法のご紹介です。

<前回記事>
各種心理(精神)療法のご紹介

心理療法が生まれてまもなくは、主にフロイトの精神分析から派生した諸心理学が発展していき、次第にパブロフやワトソンなどの行動主義、そしてマズローやカール・ロジャースなどの人間性心理学が発展していきました。

そして、「グロリアと三人のセラピスト」という、ある象徴的な映画があります。

1964年に撮影されたもので、当時を代表する三人のセラピスト(来談者中心療法のカール・ロジャース、ゲシュタルト療法のフリッツ・パールズ、論理療法のアルバート・エリス)によって、グロリアという本物のクライエントへのセッション風景を撮ったものです。

私もカウンセリングを学んでいた初期のころに見ましたが、仕事をしながら夜に学んでいた頃だったため、ほとんどの時間を寝てしまい、あまりよく覚えていません。

微かな半眠半起?の記憶では、ロジャースが単調で、パールズがクライエントを追い詰め、エリスがペチャクチャいっぱい喋っていた印象があります。

カウンセリングを学ぼうとする方は一度見てみるのもいいかもしれませんね。

そして、時代は20世紀から21世紀にかけて、本当に多種多様な心理療法やアプローチが生まれています。ここでご紹介するには限度がありますが、前回に引き続き、一部をご紹介いたします。

NLP

神経言語プログラミングと呼ばれ、3人の天才セラピストとして、ミルトン・エリクソン、フリッツ・パールズ、バージニア・サティアのセラピーを分析し共通のパターンを見出しまとめられた心理学。オバマ大統領やクリントン大統領なども自分自身の演説に活かしていたとも言われている。長年改善されなかった恐怖症などの症状に劇的な変化をもたらしたと言われている。5感を駆使したアンカリング、タイムライン等々の多種の技法が特徴。

コーチング

人材開発の技法の一つで効果的な質問によって相手の自己実現や目標達成を図る技術とされている。自己啓発、コンサルティング、リーダーシップといった領域とも近く、企業や組織の構成員に対して有効なもので、心理療法というよりも目標設定へのアプローチ技法。

家族療法

文字通り、家族を対象とした療法。一人と面接することもあれば、多数の家族構成員と同時面談することもある。大きくボーエンの多世代派、ミニューチンの構造派、MRIのコミュニケーション機能派の三つがある。会話の中身や問題の原因に焦点を当てるというよりも、家族システムにおいてどのようなコミュニケーションが行われているかに視点を当てる。傍から見ていると、複雑で大変な状況の家族に対しマジックのようにも思えるほどの劇的変化をもたらすことも多い。

マインドフルネス

自分の感情や身体の状態への気付きをもたらす療法。ヨガや瞑想といったような東洋的な考え方とも近く、今この瞬間の自分の状態に気付きストレスの低減を促していく。ACT(アクセプタンス・アンド・コミットメントセラピー)や弁証法的行動療法などが関連性を持つ。グーグルなどでも社員向けに行われ、企業現場でも用いられており、現在広がりを見せている。


以上になりますが、他にも、オープンダイアローグ、アートセラピー、ナラティブセラピー、自律訓練法、催眠療法、内観法、動作法、動機付け面接法、等々ここでは書ききれないほどの心理療法があります。

それぞれに長所短所があり、特徴もまた多様です。

また、カウンセラーの得意不得意もありますので一概に何が良いか悪いかと言うのは難しい所です。

カウンセリングの目的は、クライエントのために何が効果的で、かつ金銭的・時間的負担にならないかが一番ですので、そこを外してのカウンセリングはないと思っています。

ですから、自分の不得意分野やうまくいかない時は他の専門家につなげていく必要があるでしょう。

そして、一番関心のある、誰を選ぶかというのは非常に難しい所ですが、私はカウンセラーの人間性なり暖かみが一番大切なのではないかと思っています。

とはいっても、冷たいような印象を持つ人や、また実際に自分で優しくないしあまり寄り添うことに関心もないと公言してるような人でも能力的には非常に高いという人もいるので、これまた難しい所です。

本当のプロフェッショナルで、その人とセッションすれば結構な確率で良くなるというものであれば、凄腕の外科医を選ぶかのように依頼するといいと思いますが、基本的には私は暖かみのある人はそれだけでセラピー的効果を持つように思います。

その人と話しているだけで安心であったり、心が安らぐということもあるでしょう。

皆さんの身近にもその辺のカウンセラーよりもカウンセラー的な人がいらっしゃるんではないでしょうか。

アドラー心理学を創始したアルフレッド・アドラーの実際のセラピー現場では、いかに暖かな雰囲気で包まれていたかとも言われています。

身に着けようにも単なる知識や技術の向上では済まない、そういったあり方に近づいていくことが支援者には求められているように思います。

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