今日は虎ノ門ヒルズとか言う私には縁のないような場所だけど、森タワーという高層フェチの私にとっては垂涎のビルで、リクルートワークス研究所設立20周年記念シンポジウムに参加してきました。(高層フェチ度 9)

今度、キャリアデザインカウンセリング、いわゆる人生における働き方をデザインする講座や、人生100年時代に生きる意味を問う心理学講座を開催するにあたっての情報収集として参加しました。

内容を抜粋してご紹介します。

まず、最初の講演者のダイヤモンドメディアの武井浩三氏のお話に衝撃を受けました。

ティール組織という本が昨年出版されました。

私も買ったものの、あまりの本の厚さに本棚の片隅に積ん読状態になっていますが、このティールと似たような発想で自分の会社を運営していらっしゃるようです。

ちなみに業種は不動産のweb関係のようです。

まぁ、言ってみれば私にはチンプンカンプン。

それで、組織は生命体という発想に基づき、「自然経営(じねんけいえい)」をコンセプトにして様々な試みをされています。

目から鱗というかなんと言うか、鱗以前に口があんぐりというか、結局私の浅い知識ではうまく説明できないので、下記写真を見て頂けると分かりやすいかと思います。

ポイントとしては、全員の給与をオープンにし、給与は自分で決め、上司部下もなく、働きたいだけ働いて時間は自由、もちろん副業オッケー。何もかも自分で決める。

ついでに言えば会社の理念もない、目標もない。

いや、ないというよりも、その時置かれた状況に応じて仕事をされていくようですので、必要が生じれば作るのでしょう。

う~ん、私には説明できない。

とにかく、すげー(小学生レベルの語彙)

また、この中で言及されていた、マサチューセッツ工科大学教授のダニエル・キム氏が提唱する「組織の成功循環モデル」は、私がよく研修などで話す、心理的安全性やアドラー心理学の共同体感覚とも共通するものがありました。以下。

バッドサイクル(BAD CYCLE)

①成果・業績が上がらない(結果の質)
②対立が生じ、押し付け、命令・指示が増える(関係の質)
③創造的思考がなくなる、受け身で聞くだけ(思考の質)
④自発的・積極的に行動しない(行動の質)
⑤さらに成果が上がらない(結果の質)
⑥関係がより悪化する、なすり合い、自己防衛(関係の質)


グッドサイクル(GOOD CYCLE)

①互いに尊重し、結果を認め、一緒に考える(関係の質)
②気づきがあり、共有され、当事者意識を持つ(思考の質)
③自発的・積極的にチャレンジ・行動する(行動の質)
④成果が出てくる(結果の質)
⑤信頼関係が高まる(関係の質)
⑥もっと良いアイデアが生まれる(思考の質)

つまり、私の理解では、組織においては結果を出すことからスタートすることよりも、コミュニケーションの質を高めることからスタートした方が成功しやすいということです。

文章にしてみれば、そりゃそうかもねとなるかもしれませんが、現実はどうでしょうか?

どうしても成果や結果を求めてしまうのではないでしょうか。

結果は目に見えて図れても、コミュニケーションは目に見えて図れませんからね。

武井氏の穏やかな話振りの割に、相当研究かつ実践されていることが伺え、説得力を感じました。

これからの時代の働き方を示唆するような内容でした。

また、リクルートワークスが定年前後の働き方について全国で実態調査した話のポイントが以下です。

  • 同一企業における再雇用は多数派ではない(現在勤めている企業での再雇用だけが選択肢ではない)
  • 多くの人が転職している(50代での転職や定年後の転職は多い)
  • 50代前半で積極的な理由で転職した人の満足度が最も高い。同じ積極的な理由での転職でも50代後半になると満足度が3分の2ぐらいに落ちる
  • 早い時期に能動的に意思決定することが、将来の仕事満足につながる

私の周囲でも、起業家仲間などに50代で起業されている方がしばしばいますが、皆さん元気です。

そういった方々からしばしば聞くのは、今しかないとのコメント。

正に50代前半だと思われますが、あと数年後だと気力や状況等からタイミングが違うようなんですね。50代で転職を考えている方、早めの方がその後のモチベーションに結構影響出るみたいですよ。

他に気になったポイントとしては、これからの時代はマルチリレーションが重要だということ。

仕事だけでなく、公私問わず様々な人や場との関わりを持っているかどうかが、キャリアオーナーシップ、すなわち自分の働き方の舵をうまく握ってより良いものにしていくために重要だということです。

それは、遊びでもいいし、学びの場でもいいし、ボランティアや地域活動、そういった様々な場でリレーションシップを持っていることが、これは個人だけでなくそういったマルチリレーションを持っている取引先とお付き合いすることがビジネスの結果として重要になってくるようです。

モチベーションの研究などもそうですが、この21世紀におけるキャリア、すなわち働き方にとっては、もはや20世紀型のアメとムチ方式ではついていけないでしょう。

成果をあまりに重視した結果として、しばしば不祥事も繰り返されています。それは裏を返せばうまくいかない時に罰するのも同様の結果をもたらし得ます。

これからの時代は成果報酬から離れた、内発的動機づけを高められるかどうかが個人にとっても企業にとっても重要なのではないでしょうか?

※社会福祉法人等の福祉関係職のモチベーションアップやアドラー心理学に基づく人材育成研修承っております。

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