都内在住生活保護者のカウンセリング無料の制度

東京都の独自事業で自立促進事業というものがあります。

その中の地域生活移行支援という枠組みの中で、生活保護の方を対象に精神科等のカウンセリング料金が年間72000円まで補助されるという仕組みがあります。

特徴としては、国の事業ではなく東京都の事業ですので、他の都道府県で同様のことが行われているかどうかは分かりません。

若干、区市町村によって文面の違いがありますし、中には実施していない区市町村もありますが、被保護者(生活保護の方)を対象にしてだいたい下記のような内容が要項に書かれています。

「精神不安を抱える被保護者が病状安定を図り、日常生活を維持・継続するため精神科医⦅等⦆の行うカウンセリングのほか必要最低限度のカウンセリングを受療する場合であって、市長⦅福祉事務所長⦆が必要と認めた者」

最近、私自身が福祉関係者から聞いたもので、そんなこと知らなかったものでまさかと思い、知り合いの福祉関係者やいくつかの区市町村の生活保護のケースワーカーに問い合わせてみました。

すると、どうやら、福祉関係者でもほとんど知らないうえに、ましてや生活保護の方を支援するケースワーカー自身にも知っている人と知らない人がいることが分かりました。

長年ケースワーカーをやっている方が、こういった制度があることを知って、職場のケースワーカー全員に共有したとも言っていました。

こまごまと言い過ぎました。

一言で言えば、都内在住の生活保護の方は、区市町村によっては年間72000円までカウンセリングを無料で受けられる制度があるということです。

しかも支援者にも知られていない。

当事者は尚更です。おそらく知っている人はほぼいないでしょう。

だいたい、カウンセリングの相場なんてざっくり言えば一時間10000円。
7回まで無料で受けられる。

こんなありがたい話、必要な人は受けるしかないでしょということです。

そのためにも、是非、生活保護の方と関わる関係者に情報を届けてもらいたものです。

生活保護や精神障害者等の方が置かれている状況

ここからが言いたいことですが、私が2年前にカウンセリングオフィスを起業した時から、生活保護の方、精神などの障害者手帳をお持ちの方、母子困窮家庭、市民税非課税世帯の方などを対象に、一般の方よりも安い料金でカウンセリングを提供しています。

その理由としては、起業する前は、私は障害者の就労支援の仕事に従事していました。

そこで知ったことは、なかなか就労に定着できない精神疾患をお持ちの方や生活保護の方は、当然かもしれませんが様々な悩みを抱えています。

しかも大変な家庭環境が多く、中には幼少期から始まる根深い悩みでもあったりします。

就労の相談と言いながらも、面談の都度カウンセリング的に話を聞く場でもありました。

けれど、彼ら彼女らは有料でカウンセリングを受けるには、懐事情があまりに厳しいのです。

だいたい、就労が安定していないのです。
お金がないんです。

母子家庭で必死に働き続けているお母さんなんて、時にメンタルをやられてしまうかもしれません。けど、カウンセリングを受けるだけの余裕がないんです。

最もそれを必要としている方々が最もそれからアクセスが遠い。

精神科や心療内科にも、中には臨床心理士を置いたり良心的な価格でやっている所もありますが、そんなところなかなかありません。
保険も効きません。

皆さん、勘違いしている部分があるかと思いますが、精神科医に悩みを聞いてもらいたくて行ったのに、話を聞いてもらえなかったと不満を持たれる方がしばしばいます。

私も何度も同行支援して、その対応ぶりにマジかよと思ったことは何度もあります。

そうでなくても、3分診療などと言って、

「どうですか?」
「特に変わりありません」
「そうですか、じゃあ同じ薬出しておきますね」

じゃね~はいさよならなどといったパターンも多いです。

そもそも、精神科医療の仕組みがそうならざるを得ない部分もあるようですし、患者の数をこなさなければなりません。話を聞く時間がそうは取れません。

ましてや、精神科医や心療内科医は薬や体の専門家です。
話を聞くカウンセリングなどの専門的な訓練は、ほぼ受けていません。
自主的に学んでいるかどうかだと思います。

話を戻します。

要は、一番必要としている悩み多き方がカウンセリングを受けられていないのです。

そこで、低料金でこの二年半カウンセリングをやり続けてきた中で分かったこと。

それは、3000円という低料金で提供したものの、生活保護の方にとってはそれでも高いんです。

毎週受けたいという方でも月に一回が限度です。

かといって、私にとっても既にこの取り組みはボランティア的な気持ちで割り切ってやっていますが、これ以上下げてこれ以上クライエントが増えたら、逆に私の生活が立ち行かなくなってしまいます。

さぁどうしたものかと思っていたところに、こんな制度があることを知った。

なのに、当事者に全く届いていない。全くです。

まして、私がカウンセリングをしている方の中には、知的にグレーゾーンだったり、社会経験が少ないがゆえに正確に問い合わせることが難しい方もいるので、私が代わりにその方々の担当ケースワーカーに電話して確認しました。

ケースワーカーでも知らない人がいるようなので、当事者の方々が直接聞けば、そんな制度ないですの一言で終わりそうな気がしたからです。

確認した結果、ある人は4月から私のカウンセリングを受けた分の領収書を提出して、全額遡及して受領しました。

3000円×○回分が全部戻ってきてゼロ円です!
ビックリ感動です。

そこでどうしても湧いてくる思いは、私はあまり、きゃんきゃんピーピー言うタイプではないと自分では思ってますが(たぶん)、行政は申請主義(申請すれば認めるよ、申請しなきゃそのままよ)とは言うけれど、なんかおかしくないかと。

まずほぼ0%に近いかと思いますが、カウンセラーでも知らない制度をたまたま知ったカウンセラーが代わりになって調べて問い合わせてようやく受給できた。こんなの当事者が受給しようたって無理じゃないのと。

似たような思いは何度か体験しました。
自立支援医療制度と言って、継続的に精神科に通っている方は1割もしくは0割負担で医療を受けられるのですが、精神科医も受付の人も役所も誰も教えてくれていなかったことが何度かありました。

正直こっちの方が納得いかないです。
まず必ず知っているであろう事を教えてくれないのですから。

しかもいくつかの医者でそんなことがありました。
だいたい、受付の人はお金もらっているんだから分かるだろと。

一言、たった一言でいい、目の前で余分なお金を払っている人に、しかもお金に余裕がない人に、自立支援医療制度というものを申請すれば3割負担が1割か無料になりますよと。

一言言ってくれよと。
あんた自分の家族が来ても言わないのかよと。

私は比較的穏やかなタイプだと思いますが(←ここポイント)、正直なんだコノヤローと思いました。

その事実を知って、なんだそりゃとその場で一緒に役所の窓口に手続きに行って、すぐに申請が認められました。

生活保護の方が就活した時の交通費でも、似たようなことがありました。

あぁ、これまでに何度も味わったストレスが溜まっているのでしょう、怒りが湧いて話がどうしてもズレてしまいます。

だいたい、行政が金出してやるべきことを俺が自腹切ってやってたんだ・・・なんで当事者に教えてくれないんだよ・・・おかしくねぇか、ブツブツブツ(独り言)

都内各市区町村の取り組み状況

本当に真面目な話に戻します。

都内在住の生活保護の方が、認められれば、年間72000円まで精神科医等のカウンセリングを無料で受けられるという仕組みの話です。

調べたところ、区市町村によって内容が異なるようで、やっているところとやっていないところもあるようです。

ネットで検索してみた所、カウンセリングを対象と書かれている要項がある所は、下記の区市町村でした。


「中野区被保護者自立促進事業経費支給要綱」
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/reiki/reiki_honbun/q600RG00001491.html

「墨田区被保護者自立促進事業実施要綱」
https://www.city.sumida.lg.jp/reiki_int/reiki_honbun/g108RG00001309.html

板橋区被保護者自立支援事業実施要綱http://www.city.itabashi.tokyo.jp/yoko/pdf/h170630hihogosyajiritusien.pdf

品川区被保護者自立支援事業所実施要項https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/ct/other000089000/01seifuksh0102.pdf

「江東区被保護者自立促進費用補助要綱」https://www.city.koto.lg.jp/reiki-koho/reiki_honbun/ag10914661.html

「日野市被保護者自立促進事業経費支給要綱」
https://www1.g-reiki.net/hino/reiki_honbun/f900RG00001137.html

「小平市被保護者自立促進経費支給事業実施要綱」https://www.city.kodaira.tokyo.jp/reiki/reiki_honbun/g135RG00000597.html

「あきる野市被保護者等自立促進事業実施要綱」http://www.city.akiruno.tokyo.jp/reiki/reiki_int/reiki_honbun/g151RG00000706.html

上記以外では、検索には登りませんでしたが、東久留米市では実際に私のクライエントが支給対象として給付されています。

府中市でも、検索には登りませんが、実施している旨、事業実施評価に掲載されていました。

東村山市では、私が元いた場所ですが、ケースワーカーの方が全員に周知したとのことで認められるようです。

渋谷区、港区、青梅市は、要項があっても「カウンセリング」は支給対象として記載されていませんでした。

八王子市は、市に確認したところ支給対象外との返答を得ています。

詳しくは、お住まいの各市区町村の生活保護担当の方に直接ご確認ください。


今回の内容を届けたいのは、生活保護の受給者ですが、その方に届けるには支援者を介してでなければまず届かないでしょう。

どうか、福祉関係者、心理療法を提供している精神科医や心療内科医、民間も含めカウンセラーや臨床心理士の方などに情報を拡散して頂ければありがたく思います。

自殺対策がいろいろと喧伝されていますが、自殺の原因二位は「経済・生活問題」です。

もちろん最も経済的な困難を抱えている方々は、社会的弱者と言われている方々です。

最もカウンセリングを必要としている最も生き辛さを抱えている方々に、この情報が届きますように。

(参考記事)

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