先週末、「若年労働者の自殺対策支援のためのワークショップ」の三回目に参加しました。
ここ半年は自殺漬け?じゃないけどひたすら自殺系の研修に参加してます。来月辺りまでは続きそうです。
今日は私のかつての専門でもあった精神疾患を持つ方の就労支援や雇用管理についての話題が多かったです。
今日の内容は以下。
▼「若年勤労者自殺対策支援SPISの活用方法」
▼「SPISを利用したメンタルヘルス不調者への対応」
▼「若年勤労者の自殺予防」
▼「IT企業におけるメンタルヘルスの取り組み」
まず、SPISという雇用管理システムについて。
SPISとは精神障害や発達障害を持つメンタル不調者向けの雇用管理システムであり、個人の特性に合わせて評価できる日報形式のシステムで担当者や支援者等を含め共有していくもの。
〈SPISの特徴〉
・セルフチェックと自己チェック
・見える化
・対話
〈SPISの目的〉
雇用管理や就労定着はもちろん、そのために孤立させない、自分一人で抱え込まないことを意図している。
→チームの中で所属できているか。心理的安全性があるか。
〈SPISの具体的方法〉
・基礎健康管理(就寝時間、服薬等)
・当事者評価・・・本人にとっての生活面や仕事面でのセルフチェックを四段階評価で3〜7項目を出勤時やっていく。
(例)「朝までぐっすり眠れた」、「焦りを感じる」、「他人の言葉が突き刺さる」※ポイントとしては、本人なりのテーマを毎日チェックする
・担当者や支援者のコメント
〈その他〉※内閣府の人事室でSPISの採用が決まったとのこと※自殺とは追い込まれた末の死であり、自殺直前のエピソードは些細なことがしばしばある。え?そんなことで?といったことがあるのはそのため。そういった状態は心理的視野狭窄に陥っていると言える。
▼次に「若年勤労者の自殺予防」ついて
・自殺は決してブラック企業や長時間労働によって起こっているわけではない
・生育歴や、いじめ、学習困難等、様々なバックボーンを抱えている
・若年者はメンタル面の相談は電話ではなくメール、そしてメールからLINEへと変わってきている
・大学生(発達障害等)への支援は広がりつつあるが卒業と同時に切断される
・多くの若年障害者は障害者就労支援事業所を通して就職に結び付くが、質はバラッバラ(←私の前職・・・)
・自殺予防には多職種連携は必須+α
▼「IT企業におけるメンタルヘルスの取り組み」
〈産業医や産業保健スタッフの立ち位置〉
・診断・治療・看護する立場ではない。
・安全配慮義務についての措置を会社に勧告できる。
・労災の責任は事業者だけでなく、部長課長等の管理者にも課せられる
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※来月、東京社会福祉士会の研修があります。依存症や自傷の第一人者の松本俊彦先生をお招きしてご講義いただく予定です。ついでに私も演習担当として登壇します。どなたでも参加可能です。ご関心のある方は是非ご参加ください。
▷「自殺予防ソーシャルワーク研修」東京社会福祉士会
http://www.tokyo-csw.org/content/topLinks/oshirase/02center/2019/0129.html?fbclid=IwAR0JKp5IiwVk6I8dwD6SqImhXk4iqrTMm5bojizDbvp3h_Vg3pQ7H5ERtg4
(参考記事)
東京社会福祉士会自殺予防ソーシャルワーク研修開催しました