先週、今週と続けて、立川の リカバリーカレッジ・たちかわすぺぃろ、東京の東久留米市のリカバリーカレッジ・ポリフォニーというそれぞれ違う障害者福祉施設で、「自尊感情を育むワークショップ」の定期開催を行ってきました。

内容は「感情の対処法を学ぼう」と題して、感情についてガッツリ掘り下げました。

感情の仕組みや目的等について解説し、参加者の皆さんにも話し合いながら進めましたが、皆さんの濃い体験談がとても印象的で参考になりました。

とても時間内では終わらずに、当初予定の怒りの感情までやることができなかったので、来月に怒りの感情編としてお伝えする予定です。

今月は他にも二回、感情についてのワークショップを行う予定です。
まるで感情月間みたいですね。

さて、人間誰しもが感情を生じるわけですが、自分の感情をどの程度理解して、どの程度うまく付き合うことができているでしょうか?

感情に振り回されてしまうことってありませんか?
あるいは感情が分からなくなってしまうこともあるかもしれません。

本来、喜怒哀楽といった感情は適切に消化することで流れていくものです。

ところが、様々な事情でそれができない時、例えば小さい頃にお母さんが怒ることが怖いあまりに、嫌なことを我慢してずっと自分の気持ちを抑え続けてしまったり、皆に嫌われないようにと八方美人のように人に合わせすぎて自分の気持ちが分からなくなってしまったり、そういったことが習慣づいた時、感情は消化されずに自分の心の容器に滞留します。身体・精神的虐待ならばなおのことです。

それが1、2回程度ならいいでしょう。

しかし、それが長年の生活習慣のように自分のパターンとして身に付けてしまうと、心の容器がパンパンになります。

けれど、生き方のパターンはそう簡単には変えることができないから、相も変わらず心の容器にポイポイとネガティブな感情をいれ続けていく。

するとどうなるか?

まず典型的なパターンとして、体に出ます。

なんか最近熱っぽいな、頭痛もするので医者に行ってみようかとお医者さんに行っても特に問題ないですよ、ゆっくり休んでくださいとなる。

おかしいなぁと思いつつも、最近は仕事が大変だから疲れやすいし体調にも出るよな、しょうがないなと。

そして、食欲もなくなってきて、寝られなくなる。
暑いしなぁとなって、だるくて元気がなくなってくる。

これが、いわゆるメンタルヘルスの早期発見・早期対応の二次予防の段階です。

ここで見つけられる分にはまだましでしょう。

しかし、更に進んで行くと次は体からメンタルに出ます。

遂行能力や判断能力も落ちていきます。

パニック発作などで電車に乗れなくなります。
うつになります。

自傷行為をするようになる人もいるでしょう。
この今のモヤモヤした訳の分からない苦しさから逃れようと、衝動的に自らを傷つけるのです。

幼少期からの根深い感情の抑圧体験のある人は、リストカットや過量服薬、抜毛、といったように様々な自傷行為を取ります。

あるいは、本能的な知恵でこの今の生き辛さから避難するために解離と言って、現実感のない世界に自分の身を置いたり、ひどくなると離人症や多重人格になってまで、自らを対処しようとします。

この辺になるともはや、はいお薬で治しましょうといってもそう簡単にはいきません。

精神医療+カウンセリングなどのセラピーなどが必要になってくる人もいるでしょう。

繰り返します。

感情は適切な時に、適切に消化しないと、心の容器に滞留して自らに反逆の牙を向けてしまうのです。

では、どうやって感情を消化すれば良いのか?

それには、まず自分自身の感情に気付く必要があります。

あまりに自分のネガティブな感情を抑え込んでしまうと、自分の感情が分からなくなってしまいます。

今、疲れてるからなのか、焦ってるのか腹立ってるのか動揺してるのか、とにかく内面がパニック状態でもうグワーッというか、ゴーッていうか、「Φ◆%!#$!」みたいな。

人は何が辛いかって言うと、今の状態がモヤモヤざわざわしているけど、それが言葉にできていない状態です。漫画の「カイジ」をご存じの方はあの状態です。

「ざわ…ざわ…」ってやつ。

それに付け加えて

「もや…もや…」も?

何はともあれ、その言語化できない身体化段階の息苦しさのようなものを、怒っていた、焦った、妬んだ、といったような言葉にできる事がまず第一です。

そしてそれを認めること。

あぁ、辛かったんだ、腹が立ったんだ、悲しかったんだと認めてあげること。これらがスタートです。

ただ、この段階ではまだ感情は消化されません。
感情を表出することが必要です。

人は、意識も無意識も、体も心も、頭も何でもかんでも使って、自分なりの最善を尽くそうとする存在です。

きちんと表現して感情を消化できないと、先ほど言ったように、体が言葉の代わりにきついよ、もう無理なんだよと喋ってくれます。

痛みや苦しさを伴って。
だから、そうなる前にきちんと表現する。

言語化での表現方法は次のようなもの。

・紙に書く・つぶやく
・人に話す
・言葉にその感情を載せて言う

言語化でなく消化させるとしたら体を使う。

・運動する
・カラオケに行って叫ぶ
・絵を描く

そうして、日々の感情を適切に消化していくことで、心の容器にスペースができるので余裕が持てます。心が軽くなります。

ただ、誰しもが何かしらの積年のまだ弔うことができていない、封印した感情があるものです。

それが人生のふとした瞬間に顔を出して、自分を苦しめたりします。

これをなんとかしたいといった場合は、安心安全が保障された場所でのカウンセリングなどのセラピーが必要になってくるでしょう。

私自身もまだ終えていない感情があるんですよね。
いつか誰かに相談が必要なのかもしれません。

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