ブログ移設による過去記事転載します(2018年記事より)


東京のよみうりホールの「子どもの貧困をめぐって」というシンポジウムに参加しました。

貧困は子どもの心身だけでなく、家庭環境、生活、学業、就業、等々あらゆる面に影響を及ぼします。

その中のKAKECOMI代表の鴻巣麻里香さんのお話が印象的でした。

鴻巣さんがやっている「まかない食堂」は、正に勇気づけ食堂だと思いました。

子どもを被援助者にしない、すなわち助けられる人にするのではなく、何らかの自分にできることをしてもらうそうです。

役に立つこと、認めてもらうこと、感謝されることを体験してもらう。

これは人が人として立つための自立の芽を育むに違いありません。

鴻巣さんは、こども食堂の意義を貧困を救うのでもなく、食事を提供するのでもなく「関係性の貧困」に対して援助する場といったようなことを仰っいました。

「孤立」という言葉を何度も何度も言いました。
「つながり」という言葉を何度も何度も言いました。こども食堂は貧困を解決する場ではなく、居場所を作って孤立させない場だと。

同じく、登壇者の土井高徳さんは、危機をギリシア語では孤立と言うと仰られました。

私が普段感じていることと完全に一致します。
やはり、支援とは繋げることです。

間違いなく生きづらさと孤立は比例します。
そして、冒頭、ご自身の壮絶な人生を語られました。

静まり返った会場の中で、鴻巣さんの人生の出来事の点と点がつながり、いったいどこから来てなんのためにどこへ向かっているのかという、人生の一本の線が見えた時、えも言われぬ感動が沸き上がりました。

私の家庭は学校時代、いわゆる貧困にありましたが、「関係性の貧困状況」に置くことのなかった両親に感謝の念を感じたのでした。

(参考記事)
ただただ分かってくれるだけで~人と人とが繋がる瞬間