今、個人の働き方が問われています。
20世紀にあっては、終身雇用、年功序列、いわゆるいい大学に入っていい会社に入り、そしてそこでいかに昇進していくか、これがひとつのキャリアのテーマでした。
そのために自分のスキルをどう身につけ、その時その場で問われているマネジメント能力などをどう発達させていくかという発想です。
ところが、21世紀のこの時代にあっては働き方が変化しています。
プロジェクト型の仕事が増え、同時に複数の仕事を持つことはこの時代にあって徐々に増えていき、いずれ当然になっていくでしょう。
マルチ・ポテンシャライトという本も出され、様々なキャリアのあり方が今後模索されるでしょう。
最近のコロナショックを機にそれは拍車をかけるに違いありません。
働く場所も、方法も、所属する組織も多種多様になっていくことでしょう。
国や企業もその方向性で進んでいます。
2018年に厚労省の就業規則モデルが修正されました。
それまでは「許可なく他の会社で働かないこと」といったようなくだりがあったのですが、それが削除されました。
その就業規則のモデルを参照にしてそれぞれの会社は自分の会社の就業規則を作成するのですから、影響を受けないわけにはいきません。
つまり、原則不可だった副業が原則許可という方針に国の施策が舵を切りつつあります。
実際、Yahoo、佐川急便、三菱UFJフィナンシャルグループ、DENAといった大企業はもちろん、数多くの企業で副業は既に解禁されています。
堅いイメージの銀行でもそうです。
そして地方自治体でも、つまり公務員でも副業を許可する自治体が出始めています。
神戸市は2017年に、「地域貢献応援制度」というNPO法人などの非営利団体などでの報酬を伴う活動を、条件付きではありますが認めました。
奈良県の生駒市は、在職3年以上の職員を対象に、市との利害関係を発生しない限りにおいて副業可となりました。
65才の定年を取り払う企業も出てきています。
ファンケルなどがそうです。
少子高齢化、そして人生100年時代にあっては、年金の財源という意味でも個人の老後の生活という意味でも、生涯現役ではありませんが70代、中には80代でも働く人が増えていくでしょう。
こういった働き方の多様性が高い時代にあって問われているのは、各個人のあり方です。
寄らば大樹の陰で、いい会社に就職すればなんとかなるというのはもはや幻想です。
時代は変わります。
会社の中の人生から、人生の中の会社へと。
いわば、大量船団によるいわゆる護送船団方式で、みんな一緒の方向に舟をこいでいくのではなく、自分という一艘の船が、この大海原を自分で漕いでいかなければならないのです。
それは晴れている時だけでなく、雨の日も、嵐の日も、そしてたとえ難破したとしても。
その状況にあって必要なもの、それが自分の目指す北極星、そしてそこへ向かうための海路図、そしてコンパスなのではないでしょうか?
それさえあれば、たとえ漂流したとしても、たとえ変な港に寄ってしまったとしても、また目指す方向へと舵を切ることができるわけです。
今、問われているのは自分軸です。
それはオンリーワンの自分の生き方であり、自分の働く意味です。
自分が何のために、どこに向かって自分の人生のキャリアを積んでいくのか。
サビカスのキャリア構築理論は21世紀型のキャリアカウンセリングと言われていますが、正にそれを探ります。
サビカスのキャリアストーリーインタビューでは、シンプルな五つの質問で聞いていきます。
キャリアコンサルタントの資格を持たれている方は、サビカスの名前をほぼ必ず目にしているかと思いますが、意義あるものとして実践できている方はまず少ないでしょう。
なぜなら、その五つの質問項目の最も重要な質問、「最も小さい頃の記憶」という問いへ理解が、キャリコンの学びでは限界があり、サビカス自身が著書でも何度も言っているアドラー心理学の早期回想解釈のスキルが欠かせません。
それは、いわば人生の謎解きです。
驚くほどにその人の生き方のパターンが最も古い記憶に刻まれています。
中には、1、2歳で既に今と同じような行動パターンをしていることに気づいた時など、クライエントの方と笑ってしまうことがあります。
笑えないシリアスな記憶の場合は、深い納得感と共にそれを改善するためのセッションを行っていきます。
いずれにせよ感じるのは、人は特に幼少期の辛かったこと、悲しかったこと、もどかしかったこと、それは決してマイナスなことだけではなく、それがむしろ原動力となって時に感動的なまでにその人の人生を彩っていることです。
その自分の生きてきたストーリー、劣等感からの克服の物語が自分の働く意味と連動した時、この不安定な流動性の時代に対する最強の働き方になるに違いありません。
【キャリアデザインカウンセリング】
~会社の中の人生から、人生の中の会社へ~
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