以前、とある研修に参加した時のことです。
認知行動療法の研修でしたが、その中で行動療法の話が出てきました。

行動療法とは、非常に論理的かつ科学的な療法だなというのが私の印象です。精神やメンタルを扱うのにシンプルな構図にして扱うイメージです。

そこに感情などの曖昧なものは介在する余地があまりないように思えるのです。

それで、その研修ではある行動療法の技が紹介されました。

それは、最も怖れる言葉をノートに単語で、毎日、例えば寝る前などに10行なら10行の間にびっしりと書き連ねるというものです。

例えばパニック障害(広場恐怖)の方なら、さしずめ次のような感じでしょうか。

満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車
満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車満員電車~

ぐは~っ!!!
もう電車なんて乗りたくね~~~

なんだか目まいがしそうですね。

こうしてまずは苦手な言葉そのものに慣らしていくというものです。
そして、言葉を聞いてビクビクすることがなくなったら次の行動へとステップアップしていきます。

私は行動療法をあまり好んでいないので普段ほとんど使わないのですが、好奇心半分でこの技を使いたい誘惑にかられますね。

何だか性格悪そうというか、悪趣味というか、結構抵抗感感じて実際は試したことないんですけどね。

あがり症や対人恐怖症の方の場合は何でしょうかね。
こんな感じ?

緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張
緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張緊張~

ギヤー!!!
それとも?

人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目人の目震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え震え~

または?

あがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがりあがり~

ん~、なんか酔っぱらってきた。

こうやって冗談気味に書くと微妙な気もしますが、結構実績のある先生が仰っていたのできっと効果があるんでしょう。と思うことにします。

誰かやったことのある人いるんでしょうかね。

クライエントの方に勧めるのはちょっとまだ躊躇しますが、効果があるのならやってみたい思いもあるし微妙です。

それで行動療法にはエクスポージャーというアプローチがあります。
曝露療法と言います。

さっきの苦手な言葉を並べるのと一緒で、苦手な場面に徐々にさらして慣れていくという考え方です。

だいたいカウンセラーよりも精神科医の先生が好んでやるように思います。

だから、その例で言えば精神科医はあがり症とは言わないでしょうから、精神科の診断名で言うなら、いわゆる社会不安障害(社交不安障害、社交不安症、SAD)を例にしてみましょう。

まず自分の様々な緊張シーンをレベル分けします。

例えば、自分があがる際のレベルを10段階にして、MAX緊張する時のシチュエーションを10として、軽く緊張するときを1とする。

「人前で話す」を10、「問い合わせの電話をするとき」を3、「人と目を合わせた時」を1とか。

そうしてまずはもっとも緊張レベルの低いものに対して、呼吸法などで自分が落ち着いている時に対峙させることによって、大丈夫だった成功体験を積んでいくというものです。

具体的には、呼吸法や自立訓練法などでリラックスする。

そしてその後でもっとも軽い緊張場面を想起する。

そして大丈夫という経験をする。

さらに現実場面でも同様の場面に臨み成功体験を積むというものです。

これがレベル1であれば、次はレベル2にチャレンジしていくというスモールステップの考え方です。

そうして過度の負担にならないように徐々に馴らしていこうというやり方です。

行動療法らしい理に適ったやり方とも言えるかもしれません。

私の考えではあまり積極的にやろうとは思いませんが、それはあくまで私の考えに過ぎず、もっと大局で考えるのなら何が良い何が悪いなんて言うものはありません。

効いたかどうか、うまくいったかどうかが全てです。

気になった人は、やってみるといいかもしれませんね。

ちなみにこれは、社交不安障害だけでなく、対人恐怖症、パニック障害や強迫性障害等の気になって気になって仕方がないタイプの神経症圏の人に有効でしょう。

私があがり症の方向けに作成したエクスポージャー表がありますが、ご希望の方にはメールで送付しますので、その際はHPよりお問い合わせください。

また、希望される方にはこの手法でのカウンセリングも可能です。
悩んでる方はお気軽にご相談ください。