先週末、東京神楽坂のアドラー心理学の学び舎であるヒューマン・ギルドにて、アドラーカウンセラー養成講座修了者を対象に、ライフスタイル診断勉強会を開催しました。

参加者は25名ぐらいでしょうか(うちオンラインによるZOOM参加者10名以上)。遠くは大阪、長崎などからも参加されます。

昨年の12月から始めて毎月一回、はや8回目となります。

これまで、リアルセッションやグループセッション、簡易診断の取り方などいろいろやってきましたが、今回は初めて講座形式で丸3時間行いました。

内容は「ライフスタイル診断聴き取りのコツ」と題して、私がこれまで実践してきた中で考えていることや、聴き取り方なコツや質問の仕方など、まあ、相も変わらず出せるものは全部ブワーンと出し切ってきました。

それでライフスタイルとはなんぞやですが、シンプルに言えば人の生き方のパターンのようなものです。

人生の設計図と言う人もいれば、運動の法則とも言い、あるいは人生に繰り返し現れるメロディと言う人もいます。

私の感覚では、人生に繰り返し現れるメロディというのが一番好きです。

ライフスタイル診断では、その人の幼少期から今に至るまでをこと細かに聞いていきます。

きょうだいのこと、両親のこと、学校時代、仕事、会社、結婚等々、その時どんなことを考えてどんな気持ちで、どんな行動をしたのか、まるで人生カウンセリングです。

それを聞いていくなかで様々な気づきがあります。 この過程で癒される人も多いです。

中には、両親に愛されていなかったと思っていた人が、意外に愛されていたと知ってホッとしたり、あるいは暗黒時代と思っていた若い頃に結構好き放題やりたいことやってたなぁと気づくことでそんな悪くもなかった時代に変わったりして、それだけでも十分な価値があるように思います。

けれど、そこから更に踏み込みます。

なんとなく分かっているようで分からない自分のことですが、その原点と核心に迫ります。

まず、自分が自分をどう見ているのか、他者や世界をどのように見ているのか、その何となく分かっているようでいて分からなかった信念を言語化します。

具体的には、「自己概念」、「自己理想」、「世界像」と呼ばれるものです。

例えば自己概念が「私は弱い」、世界像が「世界は危険だ」というものの見方だった場合、自己理想は例えば次のようになります。

「私はだから強くならなければならない」という人もいれば、「私は人に頼るべき」あるいは「私は危険から逃げるべき」、あるいは「安全でありたい」という人もいるわけです。

こういったものがそれこそ100人いれば100人、1000人いれば1000人、全く違ってるんですね。

だから、人は意味づけの世界に生きています。

事実は事実ではありません。
事実には100人の事実があるのです。

他の人にとっての大変な課題が、また他の人にとってはやりがいになるかもしれないし、他の人にとっての屈辱が他の人には納得にもとり得るのです。

これがまず一つ。
そしてもう一つは、自分の「思考・感情・行動」にはある運動の法則があるということ。

私のイメージではいつもベクトルの矢印を思い出します。

今の自分が考えたこと、したこと、感じたことには、その人の人生の指紋のように特定のパターンがあり、ベクトルのように方向性を持っているのです。

それをどのように探るのかと言うと、幼き日に感じた負の感情や状況がむしろ、自分を突き動かす原動力となっていたことに気づくこと、例えて言うなら人生の核心を掘り当てるイメージです。

堀り当てた時に起こることは人それぞれですが、深く納得される方、思わず絶句してしまう方、あるいは自分を愛おしく思ってしまう方、いずれにせよそこにネガティブなイメージは存在しません。

なぜなら、あらゆる人が今よりより良く、より幸せになりたいと思ってるのですから、その方向性自体にマイナスはないのです。

ライフスタイルの核心を見つけた時、こんなにもひどく人恋しかったのはあの寂しさがあったからなのか、こんなにも馬車馬のように必死に頑張ってきたのはあの時弟を傷つけたことを後悔して何とか罪を償おうとしていたのか、なぜか知らないけど自分の進んできた道が親と似た道だったのは、親が果たせなかった悔しさを自分が代わりに果たそうとしていたのかと、人生のあらゆる出来事の点と点が繋がります。

それは、物語性のある走馬灯のように甦ります。
その時、全てが氷解します。

体に現れる反応としては、全身の血流がグワーッと流れたり、あるいは深くため息をついてこわばった肩が脱力したり、固かった顔がスーッと解けていく方、あるいは電流が走る方、それぞれです。

人は自分も知らずして自分の物語を生きています。
それを探るのがアドラー心理学ライフスタイル診断です。

それは、劣等感あるいは器官劣等性(身体のハンディキャップ)というマイナスからプラスへと、より良くなろうとする優越性の追求の物語なのです。

アドラーは言いました。

「下から上へ、マイナスからプラスへ、敗北から勝利へ」と。

誰しもが幸せに向かって。

人に物語がある。

だから人は素晴らしい。
人生は素晴らしい。

私はアドラー心理学ライフスタイル診断にすっかり魅せられています。

▷ライフスタイル診断感想 Taeko Tsukuma様


※アドラー心理学ライフスタイル診断勉強会の参加対象の方は、ヒューマン・ギルドでアドラーカウンセラー養成講座を修了した方です。原則毎月一回土曜日に行っています。ご希望の方は佐藤までご連絡下さい。

※ヒューマン・ギルドではアドラー心理学についての様々な講座を学べますが、他にカウンセリング自主勉強会もやっています。近々、夢診断についての勉強会も開催されるようです。

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